( Epilogue )
Archive of Gestalting

Eadweard Muybridge, Animal Locomotion
Reference : Eadweard Muybridge, Animal Locomotion

全体性を観測する

私たちは、世界そのものを見ているのではありません。経験や記憶、文化や価値観を通して、自らに現れた世界を認識しています。人が異なれば、世界の見方も、感じ方も、正しさも異なります。これは、一人の人間に世界がどのように現れ、いかなる思想、感性、意志、行為が生まれたのか。その人が生きる世界を、対話によって観測する試みです。記憶には解釈が、記録には選択が介在します。真実と解釈、事実と物語の境界は、常に揺らいでいる。その曖昧さを含めて、私たちは一人の世界を「真」「善」「美」という三つの視点から「ゲシュタルティング」という全体を捉えていきます。異なる見方、異なる感じ方、異なる正しさを追体験することは、私たちを現在の物差しから解放し、世界への新たな眼差しをひらくかもしれません。思想、感性、記憶、選択、行為は、一人の全体性から現れる異なる部分です。その関係を一つの存在として捉えたとき、部分には還元できない、まだ名づけられていない概念が立ち現れる。私たちは、その可能性を信じています。